知ってましたか?ヘルペスウイルスは基本的に一度感染すると一生付き合って行かなければいけないウイルスです。ウイルスの活性化を抑え、しっかりと知識をつけて生活するだけで発症を免れるのです。

ヘルペスの治療薬~バルトレックス~

ヘルペスは、一般的に単純ヘルペス1型HSV-1と単純ヘルペス2型HSV-2及び水痘・帯状疱疹ウイルスの3種類の感染患者が多く、HSV-1とHSV-2の感染者数は全世界で45億人にも及ぶとされている感染症とされています。
ヘルペスの治療には、バルトレックスが特効薬として多くの医療機関で処方されています。

バルトレックスは、イギリスの製薬メーカーのグラクソスミスクラインが開発したDNAポリメラーゼ阻害効果を有するアシクロビル系のバラシクロビルを主成分とする抗ウイルス製剤です。
バルトレックスは、従来DNAポリメラーゼ阻害薬として用いられて来たアシクロビル比べて服用回数が少ないにも関わらず、バイオアベイラビリティが高くウイルスの増殖抑制効果が高いとされ、単純疱疹や水痘、帯状疱疹、造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症の発症抑制、性器ヘルペスの再発抑制などの第1選択薬とされています。

バルトレックスの主成分バラシクロビルは、アシクロビルに必須アミノ酸バリンをエステル結合させたプロドラッグであり、バリンを付加した事により10%~20%だったバイオアベイラビリティが3倍~5倍以上に相当する55%まで高められ、服用回数が1日2回~3回と少なくなっています。
バラシクロビルは、小腸上皮細胞に存在する水素イオン濃度を利用するペプチドトランスポーターに吸収後、肝臓で加水分解酵素エステラーゼによりバリンとアシクロビルに分解され医薬効果を発揮します。

分解されたアシクロビルは、ヘルペスウイルス由来の酵素チミジンキナーゼによりアシクロビル1リン酸となり、更に宿主由来のチミジンキナーゼによりアシクロビル2リン酸、アシクロビル3リン酸とリン酸化反応が促進されます。
アシクロビル3リン酸は、ヘルペスウイルスの増殖時のDNA合成に不可欠なヌクレオシド3リン酸と類似した分子骨格を有している事からDNAポリメラーゼの働きによりヌクレオシド3リン酸との置換反応を促進し、ウイルスのDNA合成反応を阻害すると共にウイルスの増殖を抑制する効果を発揮します。

バルトレックスは、ヘルペスウイルスの感染症の症状を鎮静化するだけで無く、再発抑制抑制治療にも用いられています。
再発抑制治療は、非HIV感染者がバルトレックス1日1回の服用を8週間~最大1年間継続服用する事で体内のヘルペスウイルスを約3分の1まで死滅させる効果があり、性器ヘルペスの再発を1年に6回以上繰り返す患者は保険の適用が受けられます。

バルトレックスの副作用

バルトレックスは、肝臓や腎臓、胃及び小腸の粘膜で活性化されますが、服用から24時間以内にアシクロビルやカルボキシメトキシメチルグアニンなどの形で約50%が尿として体外に排泄され、40%~50%が便として排泄されるので主要な臓器への蓄積が非常に少なく、肝機能検査値の上昇やBUN上昇、クレアチニン上昇、吐き気、頭痛、腹痛など軽微な副作用の発症は見られますが、重篤な副作用が極めて少ないとされています。

バルトレックスの重篤な副作用には、バラシクロビルが肝臓や腎臓で代謝される事から肝炎や肝機能障害、黄疸、急性腎不全、急性膵炎などがあり、血中細胞成分が減少する汎血球減少や白血球の顆粒球が減少する無顆粒球症、血管内で血液凝固が無秩序に発生播種性血管内凝固症候群、血小板減少性紫斑病など血液に関する副作用に加え、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群などの副作用を1万人に数人程度の確率で発症する事があります。

バルトレックスの過剰投与は、錯乱や幻覚、激越、意識低下、昏睡などの精神神経症状や急性腎不全などの副作用を発症させますが、適用量でも腎障害患者や腎臓の機能が低下している高齢者に対しては適切な減量投与を怠ると過剰投与による副作用を発症する事があります。